新卒1年目エンジニアがニートになってみた

ニートを経験したことがあるだろうか? 「ニートになりたい」という言葉はよく聞くけど、実際に仕事を辞めてニートになったことのある人はそういないですよね。ニートになったら会社に行く必要もない、うざい上司とかかわらなくていい、家でダラダラできる。なんて最高な日々なのだと妄想することでしょう。

だけど妄想と現実は大抵違います。ニートに対する妄想と現実も違うことでしょう。ニートしたいと妄想を広げているなら現実はどうか知りたくないでしょうか?

自分は半年ぐらいニートしていた頃があるからその時のことをちょっと書いていこうと思う。ニートになりたい人は参考にしてみてくれ。1年間新卒で入った会社で働いてたからその頃のことからちまちまと書いていく。

新卒でエンジニアとして入社

大学を卒業して入った会社は営業職が強めなWebサービスを提供している会社でした。大学は文系だったんだけど、自分はエンジニアとして入社したんだよね。他にSIerの企業2社に内定をもらっていたんだけど、Web系がいいなーって思ってここにした。というのも学生時代にIT企業でエンジニアとしてインターンしていたこともあって、まあ開発したいよねって思っていたから。

入ってから最初は全国の新入社員で集まって5人ぐらいのグループで研修受けたりしてた。なんかやたら人数いたから広いところでやってたけど、内容はあんまり覚えていない。でも、嫌々やっていたのは覚えている。グループっていっても他の皆営業なんだよね。グループの中にエンジニア一人はきつかったよ、明らかに他のメンバーとの温度差を感じた。お前らのその熱意すげえよ、尊敬する。

そういった全体の研修が終わったら、新入社員の出し物があった。「あー、本当にこういうのあるんだなあ、営業的な会社だなー」って思ってた。もちろんすごいやりたくなかった。こういうのやりたくない人結構多いんじゃないかな。

で、それが終わったら今度は営業研修。アポ取りの電話なんかのロープレ。他の企業もこういった研修やってそうだよね。もはや今では内容はあんまり覚えてないけど、これも嫌々やってた思い出がある。

そういった研修を乗り越えた後にエンジニアとしての研修があったけど、こっちの研修は良かった。AWSだったりPHPだったりの研修をさらっと受けた気がする。やっぱり自分の興味あることじゃないとダメだね。それからOJTだっけ?徐々に開発していって部署に配属されて仕事してっていう感じですね。

エンジニアとして働く

研修が終わったら次は徐々に開発していきます。最初はLaravelを使っての開発だったなー、懐かしい。あれがOJT的な位置付けだったのかなー。Docker使って環境立ち上げて、開発してテスト書いてコミットしてってことをしてた。先輩も優しくて良かった。技術的には学生の頃、他の企業でインターンしてたから全くわからねえ・・・なんてことはなくそのままのノリで開発してた。インターンしてた頃の方がだいぶ忙しかった。

で、そのプロジェクトがひと段落したら今度はAPIの開発をGoでやった。その頃Goを使った開発って今ほど浸透していなかったし、チームにもGoの開発経験がある人いなかったから勉強しつつ作っていった。それまではRubyやPHPをメインで使ってたから最初はGoに慣れなかった記憶がある。やっぱりなんかちょっと毛色違うよね。まあそんなんで開発しつつテスト書きつつみたいなことをやっていったよ。

辞めた理由

別にその会社がブラックだったわけじゃないし、仕事内容が気に入らなかったわけじゃないけど、ふと「ここにいる意味なくね?」と思って勢いで辞めた。そう思ったのも、周りのできるエンジニアがどんどん辞めていってしまったから。確か毎月のように辞めてたなあ。やっぱり自分よりできるエンジニアはいっぱいいて欲しいし、もっと学びたいじゃん。誰と働くかって結構大事だよ。それに自分のやりたいような技術もできそうになかったから。(というか働きたくない)

確か課長と一対一で話しているときに辞めますということを話した気がする。辞めるか続けるか悩みに悩んで言ったわけじゃないし、勢いの力が大きかったする。それから約3か月後に退職。次どうしようかなーと思って、ほかの企業の話も聞いたりしたけど「そもそも働きたくないんだよなあ」なんて甘ったるい思いが強すぎて次を決めないまま退職。特にあんまり不安はなかった。まあなんとかなるだろうという謎の自信があった気がする。

というのもお金に関しては、自分でサイト運営とかしたこともあって、微々たるものだけどネットでお金を稼げるのはわかっていたし、なんとかなるだろうという感覚はあった。そういったこともあって普通にニートになった。辞める時に「次どうすんの?」とか結構聞かれたけど、ニートするって答えてたかなあ。皆辞める人が次何するかってやっぱり気になるんだね。ああいう対応結構面倒くさいよね。

辞めるのは結構面倒くさい

辞めるのっていろんな人と話さないといけないし、結構面倒ですよね。自分の課の課長や部長や人事なんかです。結構攻撃的な言葉も浴びせられるしね。人によって様々だけど、「それって逃げじゃないの」とか言われるし、うるせえよ、逃げちゃダメなのかよ?とか思ってた。まあ、何人かの偉い人と話して手続きして辞めた。

晴れてニートへ

そうやって会社を1年で辞めたんだけど、特にあまり気持ちの変化はなかったなあ。もうちょっと開放感あるんじゃないかと思ったけど、なんかそんなこともなかった気がする。ただ確か次の日ぐらいに髪を染めた。会社だとこういうのうるさいところはうるさいしね。自由にできるのはやっぱりいい。

ニートになって生活はどうなったのかというと生活はあんまり変わらなかった。自分はエンジニアとして働いていたんだけど、家でも同じようにパソコンいじるしよくニートにありそうな昼夜逆転の生活にもならなかったし、なんか働いているときと正直あんまり変わんなくね?なんてことも思ってた。プログラミングは好きだったから家でもプログラム書いたりしてたしね。会社では自分がやりたい技術はできなかったけど、家でなら自分が使いたい技術使ってやりたい放題。そこで自分が扱いたいスキルを伸ばすことができるのはなかなか良い。

あとは、サイト運営なんかもしてた。記事書いたり外注したりとかね。それで広告収入とか得たりしてね。これで何百万とか稼げないかなー、なんてことも思ったりしてた。このニート期間はプログラミングとサイト運営で結構な時間を使った気がする。こうやって書くとニートって感じがしないかもしれないけど、世の中のニートも何かしらやっているんじゃないかな、何もしないって結構暇だしさ。

ニート生活は空虚だよ

ニートは会社の人とも会わなくていいし、時間の使い方も自由。だけどやっぱりなんというかね、空虚なんですよ。朝起きて「さあ、今日は何をしようか」っていうところから始まるのは素晴らしいんだけど、人と会って何かしないっていうのは何とも言えないです。当時暇すぎて駅前のマックとスタバとエクセルシオールをローテーションして、そこでパソコン持って作業してた。家にいても暇なんだもん。平日だけど行ってみると結構人いるんだよ。皆何しているんだろうね。

お金の不安はある

やっぱりお金の不安はあるよね。家賃・食費・水道光熱費・通信費・税金・・・いろいろ含めて1か月最低17万ぐらいはかかるなあっていう感じだった。家賃が8万だったんだけどやっぱり高いよね。ニートに8万はえぐいて・・・

お金ないから食べたいお菓子なんかも買うのにけっこうためらってたなあ。食べ物は自炊してた、外食するとやっぱり高くなっちゃうしね。そんな生活だったけど、そんなに苦は感じなかったよ。質素な生活も悪くないです。でもたまにお菓子をためらいなく買うぐらいのお金は欲しいよね。

フリーランスのエンジニアへ

ニートをしていたんだけど、やっぱりお金がなくなるよね。「あー、数か月後の家賃払えないなあ・・・」ってことを何度も思った。「働くしかないかよくそが」って思って働くことをちょっと考えてみた。取れる選択肢は、「正社員・派遣・フリーランス・起業」。大体こんなもんだ。

正社員はそのときしばらくいいかなって思ったからまず消した。起業に関しては、起業するなら自分で何かやっていってそれが後に事業として回ればいいなあ、なんて思ってたから消した。起業して何かしよう!っていう気持ちはなかったかな。

残るは派遣とフリーランスだけど、派遣よりもフリーランスの方が稼げるだろうと思って派遣は捨てた。そんなんで消去法でフリーランスになることにしたよ。フリーランスとして何をするかっていうともちろんエンジニア。今までエンジニアやってきたからね。新卒で1年しか経験ないし、無理なんじゃね?って思ったけど、やってみないとわかんないよなって思ってエージェントに連絡してみようと思った。

エンジニアのフリーランスエージェントに連絡する

エンジニアのフリーランスを仲介してくれるエージェントってありますよね。有名なところだとレバテックやギークスなんかです。フリーランスエンジニアといっても、きっと週5で働くことになるし、正直面倒だなあって思ったけどまあ働くかと思って連絡した。いくつかエージェントに連絡したんだけど、自分の経験が少なくて門前払いのところもあったよ。どこのエージェントとは言わないけどね。

で、案件を紹介してもらって確か2社と面談してどっちもOK。その中から1つにしてその時の単価が50万いかないぐらいだった。もっと欲しいなーって思ったけど、まあいいかって思ってそのとき案件を受けた企業で働くことにした。今は別のエージェント使っているんだけど、やっぱりこの単価は安かったらしい。エージェントって最低いくらぐらい欲しいですか?みたいなことを聞いてくるんだけど、どれぐらいもらえるかなんて分からないじゃない。

新卒1年で辞めた自分の価値?知らねえよ?って思って「いやー、相場どれぐらいなんですかねー」なんていうノリでいったらそんなんになった。こんなこと言ったらまあそりゃあね。エージェント使うときにはお金に関しては割と強気に言った方がいいでしょう。そんな感じで紹介してもらって働くことになったんだけど、その現場忙しかったね。普通にメンタルやられたけど、まあ鍛えられたし良かったとする。

実務経験1年じゃエージェントで相手にされないかもしれないけど、自分は学生時代ベンチャー企業でエンジニアのインターン1年ぐらいしてたからそういうこともあって取ってくれたのかもしれない。エージェントは実務経験の年数をやたら重要視してくる気がするから、まあ経験年数はある方がいいよね。

今は

今はその時紹介してもらった案件とは別の案件を他のエージェントに紹介してもらってそこで働いてる。うーん、やっぱり働くのは大変だわ、ニートが恋しいけどでもニートになったらなったでいろいろ思うことはあるんだよなあ。

ニート生活は優雅なものだと思っていた

自分は不労所得得て、それで生活していければ幸せなんだろうなあ・・・って思っていたけど、なんかそれも違うらしい。ニート生活を経験して思ったけど、そんな単純なものでもない気がする。たぶん毎月100万円口座に入って、何もしない生活をしても多分つまらないんだろうなあと思ってしまった。ニート生活と同じように誰とも会わない家にこもるような生活だときっとそんな感じだろう。じゃあどんな生活なら幸せなんだよ!って感じだけど、どうなんだろうね。

今まで正社員・ニート・フリーランスってやってきたけど、どうもしっくりこない。ニートもダメ、週5正社員・フリーランスもダメなら間をとって週2,3ぐらいで働くのがいいかもしれない。たぶん人とのつながりとか話すことって大事な気がするからそれが満たせればなんかまた違う景色が見れる気がする。

これからは

これからどう生きるかっていうことをよく考えるんだけど、どう生きようかね。自分は何か作ることが嫌いじゃないみたいだから、やっぱりそういった方向で生活していこうかなーなんてことを思っていたりする。自分は浪人もしたし留年もして、その果てに就職した会社を一年で辞めてニートもして、どうも他の人と比べて社会の流れに乗っていけないなーって感じているからそれなりに自分のペースで生きていきたいと思う。